570.ツンデレじゃないと死ぬの?

松本裕司の母性本能が再び芽生え始めた。

「社長、奥様が恋しければメッセージを送ってみてはいかがですか?今なら中国は昼休み時間ですから、奥様の邪魔にはならないと思います」

松本裕司は我慢していたが、結局言わずにはいられなかった。

上司の冷たい視線を覚悟していたが、藤堂澄人は淡々と携帯を置いて、「いや、そこまで彼女が恋しいわけじゃない」と言った。

そう言って、また書類を手に取って読み始めた。

松本裕司:「……」

素直になれないなんて、死ぬの?ああ!死ぬの?

その時、地球の反対側の中国C市では、九条結衣が今日の処理すべき書類を置いたところで、やっと空腹を感じていた。

秘書が持ってきた昼食を見上げると、もう冷めていた。

彼女はため息をつき、お弁当を手に取った。開けた時、いつも食べているこの店の昼食を見ても、なぜか食欲が湧かなかった。