574.藤堂社長の全力擁護

すぐにツイッターを開くと、トレンドが飛び出してきた。タイトルは「藤堂澄人の愛人が権力を振りかざす」だった。

九条結衣の表情が、急に暗くなった。

トレンドをクリックすると、彼女が権力を振りかざしたことだけでなく、誰かがこの動画を拡散したことで話題になっていた。

「藤堂澄人」という三文字が目立って表示されていた。

その動画を直接リツイートしていた——

【私の奥様は理由もなく人を殴ったりしない。もし殴ったのなら、きっとその人が無礼な振る舞いをしたからだ。】

このリツイートはネット上で大きな反響を呼んだ。

藤堂瞳は以前この義姉を認めていなかったのに、藤堂社長がすぐにツイッターを開設して「私の奥様」と呼んだのだ。

「私の奥様」というたった四文字で、まるで甘々な愛情表現を押し付けられたような気分になり、どこからどう見てもピンク色の泡が浮かんでいるようだった。

九条結衣は動画を開いて見てみると、やはり彼女があの麺屋で人を殴った動画で、誰かがネットに投稿していた。

最初は、多くの人が彼女のことを厚かましい愛人だとか、下劣で悪質だとか、権力を笠に着るなどと罵っていた……

しかし藤堂澄人がリツイートした後、ネット上のコメントの風向きが完全に変わった。

九条結衣は藤堂澄人が新しく開設したツイッターを開いた。開設時間は数時間前で、わずか数時間で彼のフォロワー数は直接数百万に達していた。

彼は合計二つの投稿をリツイートしていた。一つは彼女が人を殴った動画で、もう一つは以前藤堂瞳が彼女を藤堂澄人の妻と認めなかった投稿だった。

そこには直接こう書かれていた——

【藤堂瞳、お前はすでに藤堂家から追い出されたのに、植田家からも追い出されたいのか?】

この言葉は直接、藤堂瞳と藤堂澄人の緊張した兄妹関係を証明していた。

藤堂瞳が藤堂澄人に追い出されたのなら、彼女の言葉の信憑性は大きく損なわれることになる。

藤堂澄人がこれほど九条結衣を擁護するのは二人が恋人関係だからで、必ずしも九条結衣が藤堂奥様だと証明するものではないかもしれないが、次の投稿はさらに衝撃的だった。

【私の孫嫁は理由もなく人を殴ったりしない。もし殴ったのなら、きっとその人が無礼な振る舞いをしたからだ。】

これは藤堂お婆様が直接リツイートしたものだった。