藤堂お婆様は元気がなかったのですが、その言葉を聞いて、瞬時に両目を開き、虚ろだった瞳に輝きが宿りました。
「坊ちゃま?私の可愛い曾孫の初なの?」
藤堂澄人は初を抱きながら足早に近づき、お婆様のベッドの傍に来ると、彼を下ろしました。
来る前に、九条結衣は初に曾祖母に会いに行くことを話していたので、初はベッドの傍に来るとすぐに、おとなしく言いました:
「ひいおばあちゃま、初が会いに来ましたよ」
お婆様は大変喜び、急に元気になったように、すぐに山本叔母さんを呼んで起こしてもらおうとしました。
藤堂澄人は前に出て、お婆様を支えて起き上がらせ、クッションに寄りかからせました。
執事が言った通り、お婆様は愛しい曾孫を見ると、まるで病気が全て治ったかのように喜び、初の小さな手を握って、目尻を下げて笑いました。