彼の言葉を聞いた九条結衣は、横目で彼を見やると、ちょうど彼も振り向いて彼女を見ており、二人の視線がぴったりと重なった。
その深い瞳には、隠すことのない深い愛情が滲み出ていて、九条結衣が無視しようとしても難しかった。
藤堂澄人は手を上げ、優しく彼女の頬に触れ、指先でゆっくりと彼女の顔の輪郭を一つ一つなぞっていき、その眼差しはますます柔らかくなっていった。
「よかった、やっとあなたを見つけることができた。今度は二度と、あなたを失うわけにはいかない」
彼は優しく彼女の顎を持ち上げ、身を屈めてゆっくりとキスをした。
以前の数回の強引で激しいキスと比べて、今回の彼のキスは非常に優しく、慎重な気遣いと安らぎを感じさせるものだった。
九条結衣は、そこに畏敬の念を伴う感謝の気持ちも味わった。