591.藤堂瞳がまた来た

夕食前に、藤堂家のかかりつけ医が一度訪れ、大奥様の病状について藤堂澄人夫妻に詳しく説明した。

主に高齢者特有の病気で、日常的なケアが必要であり、年を取ると病気の進行が遅く、回復にも時間がかかるため、ある程度の忍耐が必要だということだった。

また、お年寄りの気分を良好に保ち、日常の些細なことで心配させないようにする必要があった。

夕食時、大奥様は目を覚まし、使用人に部屋まで運ばせるのではなく、自ら食堂で食事をすることを主張した。

結局、藤堂澄人もそれを許可した。

さらに、大奥様は曾孫に会えて気分が良く、精神状態も非常に良好で、顔色が少し白いことを除けば、病人には見えなかった。

「大奥様、今は若旦那様とお嫁様、そして坊ちゃまもいらっしゃいますから、もう栄養食を食べないという我儘は言わないでくださいね」