581.口を閉じなさい

濃密な愛の営みの後、九条結衣はまた疲れ果てていた。

数日前と同じように、彼はまるで長い間肉に飢えた狼のように、結衣を丸呑みにしたいかのようだった。

リビングは散らかり放題だった。

藤堂澄人の上に横たわった結衣は、怒りと恥ずかしさと疲れで、彼を罵る元気すらなかった。

頭の上で誰かが何度もキスをしてくるのを感じ、彼女は腹を立てて手を上げ、彼の体をひねった。痛みで彼は声を上げた。

かすれた声で漏れる色っぽい呻き声が、つい先ほど終わったばかりの愛の営みに、再び火をつけてしまった。

下で再び頭を持ち上げてきた彼の「相棒」を感じ、結衣の表情が曇った。

「藤堂澄人、もう一度動いてみなさいよ」

愛の営みの後のかすれた声が結衣の耳に響き、先ほどの熱い、そして少し拒みながらも受け入れていた恥ずかしい行為を思い出させ、顔が真っ赤に染まった。

藤堂澄人は自分の体の上にある彼女の手を握り、笑いを抑えながら言った:

「君がそんな風に僕の相棒を脅かすから、また立ち上がってきたじゃないか」

結衣:「……」

すぐにエッチな話を始める この畜生を殴り殺したい。

「黙りなさい」

「はい、喜んで従います」

藤堂澄人は軽く笑い、体を翻して彼女の唇を塞いだ。

「藤堂……んん……」

短い隙間に一文字しか発することができず、また藤堂澄人に唇を塞がれた。

この畜生の体力がどうしてこんなにあるのか分からない。たった2分休んだだけなのに、また始まった。

結衣の抵抗は全て、彼の支配的で技巧に満ちたディープキスと愛撫の中で、春の水のように溶けていった。

部屋に漂う艶めかしい雰囲気が再び静けさを取り戻すと、結衣は最後には彼を罵る力さえ失っていた。

ただ怨めしそうな目つきで藤堂澄人を睨みつけるだけだったが、それは藤堂澄人の無邪気な視線を引き寄せた。

「さっきは口を閉じろって言ったじゃないか?でもこんな方法でって言わなかっただろう」

結衣:「……」

よくもまだ言葉遊びができるものだ。

本当に殴り殺したい!!!!

結衣は心の中で怒りが込み上げていたが、愛の営みを終えたばかりの潤んだ目は色気に満ちており、それを見た藤堂澄人はまた喉が渇いてきた。

しかし、さすがに結衣の体を考えて、これ以上は手を出さないようにした。

そうしないと、家にも入れてもらえなくなるかもしれない。