585.一緒に帰る

4年前のあの夜、彼女と藤堂澄人が最も険悪な関係になった時、お婆様が突然心臓発作で入院した。

その原因は、お婆様が藤堂澄人と大喧嘩をし、彼が自分を疎かにしていると感じたからだった。怒り狂った藤堂澄人は、彼女がお婆様の前で自分の悪口を言ったと思い込み、それでお婆様が発作を起こしたのだと。

これは彼女が帰国して初めてお婆様に会った時、お婆様が彼女に話したことで、ついでに藤堂澄人のことを散々叱りつけた。

当時、彼女はただ可笑しく思っただけだった。藤堂澄人が彼女に偏見を持っている限り、何でも彼女のせいにするのだから。

しかし、今になって思い返してみると、腹は立つものの、恨みの気持ちは少し薄れていた。

今、彼女が最も心配しているのはお婆様の状態だった。

お婆様は70代で、現代では特別高齢というわけではないが、若くもない、まさに人生の重要な時期だった。