言い終わると、九条結衣の怒りに満ちた視線の中で、外着を脱ぎ捨て、バスタブの正面にあるシャワールームに入った。
水蒸気越しに男の大きな体が朧げに見え、鍛え上げられた体つきが水蒸気に包まれて見え隠れする様子は、それを見ているだけで九条結衣の喉が渇くほどだった。
不自然に視線を逸らし、彼女はバスタブに寄りかかって目を閉じ、もう見ないようにした。
彼女は...うん、自制が効かなくなるのが怖かった。
湯加減が丁度良く、疲れも相まって、九条結衣の瞼が少しずつ重くなってきた。
藤堂澄人がシャワーを終えて出てきた時、九条結衣はすでにバスタブで眠り込んでいた。
九条結衣が風邪を引かないように、藤堂澄人はバスタオルで適当に体を拭くと、九条結衣を湯船から抱き上げた。
バスタオルで丁寧に拭き、服を持ってきて着替えさせた。本当に疲れ果てていたのか、この一連の動作の間、九条結衣は目を覚まさなかった。