615.一緒にお風呂で節水

そう思いながら、彼女は唇を噛んで、隣の二人の息子を見つめ、耳が赤くなりながら、お婆さんの耳元に近づいて、小声で言った：

「お婆ちゃん、私、頑張って曾孫娘を産んであげます」

彼女の声は非常に小さく、リビングではテレビが流れていて、はっきりとは聞こえなかったが、お婆さんの目が急に輝き、顔の笑顔がさらに大きくなった。

「いいわ、いいわ、いいわ……」

彼女は笑いながら何度も「いいわ」と繰り返した。「お婆ちゃんはもうお年玉の準備ができているから、早く早く……」

九条結衣はお婆さんの喜び溢れる様子を見て、つられて笑顔になった。

お婆さんは体調が良くないため、数時間座っていた後、休むために二階に上がることになった。

九条初はひいお婆ちゃんの休息を邪魔したくなかったし、パパとママが妹を作るのを邪魔したくなかったので、とても積極的に山本叔母さんが用意した部屋に戻って本を読むことにした。

九条初の世話を専門に担当するメイドも一人別に配置されていた。

九条結衣がどう言っても、九条初は彼女に付き添われることを拒否し、口を開けば閉じれば、パパと妹を作りに行けと言うばかりだった。

それを聞いていたメイドたちは、若い子は顔を真っ赤にし、年配の人は唇を噛んで笑いを堪えていた。

九条結衣は息子に面目を失わされたくなかったので、そのままにしておくことにした。

主寝室のドアを開けて入ると、すぐに後ろから黒い影が彼女を抱きしめ、背後のベッドに押し倒した。

男性の馴染みのある香り、馴染みのある抱擁に、九条結衣は即座に彼を押しのけることはしなかったが、積極的に応えることもせず、ただベッドの上で抱かれながら、物憂げな目で彼を見つめていた。

「会議は終わった？」

「うん、ちょうど終わったところに君が入ってきた。妻よ、君は本当に気が利くね」

そう言いながら、彼は身を屈めて彼女の唇に軽くキスをした。

九条結衣は彼の目の中で揺らめく光を見て、その光が何を意味するのかよく分かっていたが、気付かないふりをした。

彼の肩を軽く押しながら言った：「会議が終わったなら、お風呂に入りなさい。臭いわ」

奥さまにそんなふうに嫌がられて、藤堂澄人は少し不満げに自分の体の匂いを嗅いでみた。

どこが臭いんだ？

次の瞬間、彼の目が急に輝いた。妻は何かを暗示しているのか？