実際のところ、九条結衣はこのニュースをそれほど気にしていなかった。
この写真は、確かに親密そうに見えたが、後藤霊と藤堂澄人は……
九条結衣は考えれば考えるほど、そんなことはありえないと思い、写真を見た時も驚いただけで、深く考えることはなかった。
「大丈夫よ、私は平気。このニュースは後藤霊を狙ったものみたいだから、誰かが対処してくれるわ。私たちは気にしなくていいの」
九条結衣の言葉を聞いて、夏川雫は半信半疑で「どうしてあなた、後藤霊のことをよく知ってるみたいなの?」
「うん、知ってるの。心配しないで、私は大丈夫」
九条結衣の口調を聞いて、本当に大丈夫そうだと分かり、夏川雫はようやく安心して電話を切った。
その時、藤堂グループの社長室では、藤堂澄人が青ざめた顔で、かなり恐ろしい表情をしていた。