「勉強する必要はないよ、すべて本心からの言葉だから、自然と出てくるんだ」
藤堂澄人は真面目な表情で答えたが、九条結衣は鳥肌が立つほど照れくさかった。
やはり彼女は甘い言葉を聞くのは苦手だった。
「はいはい、もういいから、さっさとベッドで横になりなさい」
彼女は藤堂澄人の腕から抜け出し、彼をベッドの方へ追いやった。
藤堂澄人は今や妻の言うことに「逆らう」ことなど考えもせず、すぐに部屋の大きなベッドへと向かった。
ちょうどそのとき、看護師が消炎薬を持ってきて点滴を取り付け、細かく注意事項を説明してから出て行った。
「あなたはゆっくり休んでいて、私がここで付き添うわ」
九条結衣が藤堂澄人の傍らに座ると、彼は彼女の手を取ってベッドへ引き寄せ、言った:
「もう遅いから、一緒に休もう。点滴が終わったら、看護師が外しに来てくれるから」