785.藤堂瞳、ほどほどにしなさい

結局のところ、藤堂家のお嬢様が植田家の長男と結婚した時の式は、とても話題を呼んだものだった。

噂によると、その結婚式は植田涼が藤堂瞳のために直接デザインしたもので、その式に参加した人々は今でも楽しげに語り合っている。藤堂瞳は前世で積んだ徳が十世分はあったに違いないと。藤堂澄人の妹になれただけでなく、植田涼の妻にもなれたのだから。

当時、どれほど多くの人が藤堂瞳を羨ましがり、この女性は本当に運が良いと思ったことか。

結婚後も、植田涼が他の女性と噂になることは一度もなく、夫婦で公の場に現れる時はいつも仲睦まじかった。

誰が想像しただろうか。このように愛し合っていた理想の夫婦が、人前で喧嘩をし、しかも「後ろめたい」などと言い合うことになるとは。

もしかして植田涼は藤堂瞳に隠れて別の女を囲っているのだろうか?