798.奥さんが怖すぎる

藤堂澄人「……」

嫁さんが怖すぎる。これからはちゃんと良い人になろう。

「はい、全部あなたの言う通りにします」

藤堂澄人は機嫌を取るように九条結衣を抱きしめ、身を屈めて彼女の頬にキスをした。「僕が良い子にしていたら、何かご褒美くれる?」

「罰がそんなに厳しいなら、ご褒美も相応のものじゃないとね」

藤堂澄人は笑顔で九条結衣を見つめながら、さらに甘えた。

九条結衣は彼を見て眉を上げ、何かを思いついたように目元に笑みを浮かべ、彼の腕に手を回して言った。

「女の子を産んであげるのは、大きなプレゼントになるかしら?」

藤堂澄人の目が輝いた。「もちろん、それは最高のプレゼントだよ。僕にとっては何物にも代えがたい宝物だ」

女の子を産むという話題に、藤堂澄人の目は一瞬にして喜びに満ちた。