「荒井教授が嫌がるなら、私の友人に頼んでみましょう」
高橋洵という人物は、責任転嫁が得意で、しかも困ったような顔をして見せる。
荒井教授が手伝いを嫌がるとはどういうことか。明らかにあなたの家族全員が信用していないだけではないか?
荒井先生と小林お爺さんは、高橋洵のその言葉を聞いて、顔を曇らせたまま黙っていた。明らかに心中穏やかではなかった。
高橋洵は皆の前で、首都大学考古学部で教鞭を執る友人で、国内でも有名な古美術鑑定の専門家に電話をかけた。
電話で状況を大まかに説明すると、相手も躊躇することなく、すぐに承諾した。
電話を切った後、高橋洵は不機嫌な表情を浮かべる小林お爺さんと荒井教授を見て、その様子を理解していないふりをして、だらしなく笑いながら言った:
「福田義仁を呼びました。少々お待ちください。すぐに到着するはずです」