879.普通にしてくれない？

「今、お腹の中にいるのは私たち藤堂家の宝物なのよ。心配しないわけにはいかないでしょう」

藤堂お婆様は不賛成な表情で彼女を見つめ、続いて使用人たちに九条結衣を支えるよう指示した。九条結衣は一瞬、自分が自立して生活できないような錯覚を覚えた。

しかし、お婆様の好意を無下にはできず、しぶしぶ使用人たちに支えられながら家の中に入った。

なんとかお婆様に使用人たちを下がらせた後、九条結衣がほっと一息ついたところで、愛する息子の九条初が真剣な表情で忠告した：

「ママ、気をつけてね。こぶたの奥さんを傷つけちゃダメだよ」

九条結衣：「……」

今や、お腹の子に愛情を奪われてしまったような寂しさを感じていた。

少し恨めしそうな目で藤堂澄人を見ると、彼は面白そうな表情で彼女の隣に座り、優しく彼女を抱きしめ、軽く背中を叩いて「いい子だ、旦那さんはあなたを大切にしているよ」と言った。