藤堂グループの以前のいくつかのプロジェクトが次々と完成した後、藤堂グループの株価は徐々に安定し始めた。
手元の財務諸表を見て、九条結衣はようやく安堵のため息をついた。
そして、もともと藤堂グループの失態を見物し、さらにはこの機会に乗じて藤堂グループを飲み込もうとしていた企業は呆然とした。
藤堂澄人が失踪し、藤堂グループの株価があれほど下落したのに、まさかこのように回復するとは。
彼らが介入する暇もなく、藤堂グループの敷居を踏む前に、追い出されてしまった。
そして最も腹を立てていたのは、田中真斗だった。
彼は胸に怒りを溜め込み、九条結衣の失態を見物し、さらには彼女が自分に助けを求めに来るのを待って、藤堂グループ全体を手に入れようとしていた時、結果として、彼は九条結衣による増資で株式を希薄化されただけで、何も得られなかった。