「間違えるはずがないでしょう?この病院のファイアウォールはかなり厳重で、最後の二重の防御を突破するのに丸一ヶ月もかかったんですよ。間違えるわけがありません。」
九条結衣は安西臣の実力をよく知っていた。藤堂澄人の部下と比べても引けを取らないほどだったので、先ほどの確認も単なる念のためで、安西臣の調査結果を疑っていたわけではなかった。
「どの部屋やエリアから送信されたのかまでは分かりますか?」
「RLの病院全体が同じルーターを使用しているので、この病院のWiFiパスワードを知っている人なら誰でも、同じIPアドレスから送信されることになります。」
ここまで聞いて、九条結衣は眉をひそめた。「つまり、この病院にいる人なら誰でもメールを送信できたということ?」
「はい、その通りです。」