973.まずは整形に行って

木村靖子「……」

「まず君がやるべきことは、若々しい状態に戻ることだ。整形手術でも美容治療でも、全て私の口座で支払える」

「見た目が戻ったら、芸能界で成功できるようにリソースを提供しよう」

藤堂澄人が彼女のことを考えてくれているのは分かっていたが、なぜこんなに心に刺さる言い方をするのだろう。

彼は九条結衣と二人きりで話すときも、このように彼女の痛いところを突くのだろうか?

木村靖子は心の中で違和感を覚えたが、藤堂澄人に悪意はないと思い、我慢するしかなかった。

しかし、すぐに藤堂澄人の言葉の中から、彼女が聞きたかったポイントを見つけ出し、目が輝いた。

「澄人さん、私が芸能界に入りたいって知ってたの?」

澄人は記憶喪失になる前は、彼女のことにそれほど関心を持っていなかったのに、記憶を失った今、なぜ彼女の気持ちをこんなによく分かっているの?