076 面接

「分かってるわ。もう気にしてないから」道乃漫は夏川清未が横になる前に言った。「お母さん、明日の午前9時に面接があるの。行かなきゃいけないけど、2時間くらいで終わると思うわ。お昼には戻ってくるから。何かあったら、周村兄貴と篠崎兄貴にお願いしないといけないけど」

「安心して面接に行きなさい」道乃漫が道乃琪のアシスタントを辞めることを知って、夏川清未も喜んでいた。「ここは何も問題ないわ。トイレも、ゆっくりならできるし。傷も順調に治ってきて、もうすぐ抜糸できそうよ。普通のことなら自分でできるから、心配しないで」

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翌日、道乃漫は約束の時間通り、15分早く神崎創映に到着した。

広報部の場所を聞いて向かうと、まだ10分あった。

「こんにちは。道乃漫と申します。今日9時の面接の約束をしていました」道乃漫は広報部の職員に尋ねた。