誰かが入り口で立ち止まっているのを見て、道乃漫は慌てなくなり、夏川清未の世話を済ませてから、また入り口へ向かった。
「あなたたちは?」道乃漫はその二人のボディーガードに尋ねた。
「道乃さん、私は周村成辉で、こちらは篠崎汇人です。私たちは神崎若様があなたを守るために残した者です。神崎若様は、まだ諦めきれない人が来て邪魔をするのを心配されているのです」と周村成辉は言った。
傍らで道乃啓元は、彼らが神崎卓礼の部下だと聞いて、息を飲んで固まり、疑いの目を向けた。
道乃漫も心の中で驚いていた。神崎卓礼は一体何を考えているのだろうか?
わざわざ二人を残して守らせるなんて。神崎卓礼が二度も助けてくれたとはいえ、彼が善意で理由もなく人を助けるような人だとは思えなかった。
それに、前世で聞いた神崎卓礼の噂は、どれも善意とは程遠いものばかりだった。
しかし、どうあれ、二人がここで守ってくれることで、少し安心できた。
少なくとも今のように、道乃啓元が病室に入って夏川清未を困らせることはできないのだから。
「ありがとうございます。お二人がいてくれて本当に助かります」道乃漫は心から感謝を述べた。「彼を追い払ってもらえませんか?私たちはここで彼を歓迎しません」
「問題ありません」周村成辉は気持ちよく引き受け、道乃啓元の手首をねじり、篠崎汇人と二人で両側から道乃啓元を引きずり出した。
「離せ!道乃漫、お前は父親にこんな仕打ちをするのか?見てみろ、こんな不孝者がいるか!」道乃啓元は怒鳴った。このように引きずられるのは、とても面目が立たなかった。
周村成辉は彼の腰を一突きした。どうしたことか、道乃啓元は肺を刺されたような激痛を感じ、息も満足にできなくなりそうだった。
痛みで顔が真っ青になり、一言も発することができなくなった。
「道乃さん、あなたも大企業の社長なのですから、私たちの神崎若様ほどの知名度はないにしても、公共の場所では、少しは体面を保つべきではないですか」と周村成辉は道乃啓元の耳元で警告した。
道乃啓元は今は言葉が出せないだけでなく、たとえ話せたとしても、もう大声を出すことはなかっただろう。
自分の立場を思い出し、面子を保ちたかったのだ。
周村成辉は道乃漫の方を向いて尋ねた。「道乃さん、今後彼が来たら——」