155 道乃漫が彼女の計画を知るはずがない

道乃漫は鍵を取り出し、大澤依乃の目の前で事務机の引き出しを開け、前もって用意していた書類を取り出して武田立则に渡した。

柳田姉たちはようやく信じた。道乃漫がタスクを完了できないからといって、わざと自分のパソコンにウイルスを仕掛けたわけではないと。

道乃漫はすでに企画書を用意していて、パソコンに保存されていたのは最終的な修正と推敲のためだけだった。バカじゃない限り、わざわざ自分のパソコンにウイルスを仕掛けて、審査に通らないようにするはずがない。

彼女たちは最初、道乃漫が負けを認めたくないだけだと思っていたが、今や企画書が武田立则の手に渡った以上、疑う余地はなくなった。

柳田姉は大澤依乃を見て、そして葉月星と夏川夢璃を見た。

道乃漫が自分のパソコンにウイルスを仕掛けたのでなければ、誰かが仕掛けたということだ。