「電球になれって言ったか?」神崎卓礼は南條景衡を横目で睨んだ。
南條景衡というこの超高ワットの電球は全く気付いていない様子で、スマートフォンを取り出してWeChatを開き、「お姉さん、友達追加しましょう」と言った。
道乃漫は「……」
彼女は南條景衡の名前を早くから聞いていたが、まさか本人がこんなタイプだとは思わなかった。
神崎卓礼を見ると、彼は笑いながら言った。「追加してあげて。普段は相手にしなければいいから」
「何言ってるんだよ、俺だって彼女がいるんだぞ」南條景衡は誇らしげに胸を張って、「もうすぐ結婚するんだ」
神崎卓礼は「……」
調子に乗りやがって!
道乃漫は笑いを堪えながらスマートフォンを取り出し、南條景衡と友達になった。
「俺たち仲間内でグループがあるんだ。君も入れておくよ」神崎卓礼が言った。「みんな幼馴染で、他の奴らは皆結婚してて、奥さんたちもグループにいるんだ」
「誰が始めたか忘れたけど、最初は独身の俺たちだけだったのに、最初の奴が嫁を見つけてからは、みんな嫁をグループに入れるようになったんだ」と南條景衡が補足した。
聞いた感じ、仲間内だけの小さなグループのようだった。
グループに入れてもらえるということは、仲間として認められたということだ。
道乃漫は考えた。付き合い始めたばかりなのにグループに入れられて、もし後で別れたら気まずくならないだろうか。
そんなことを考えているうちに、スマートフォンが通知音とともに賑やかに振動し始めた。
「新メンバーが入りました。誰かは知ってるけど言わないよ」南條景衡はそう送信し、タバコを吸う得意げな絵文字を添えた。
绫濑昭晴:「誰?」
霧島謙之:「誰誰誰?」
その後、高坂承一、高坂承霖、和泉子戚らが揃って霧島謙之の言葉をコピペした。
道乃漫は冷や汗をかきながら、少し恥ずかしくて返信できなかった。
すぐ後に、神崎卓礼が現れて「俺の彼女だ」と書き込んだ。
绫濑昭晴:「マジで?」
霧島謙之:「嘘だろ、まさか。お前に彼女ができるなんてありえない!」
鹤見北城:「謙が焦ってるな」
南條景衡:「本当だよ本当。お姉さんは今俺の隣にいるんだ。今夜チャリティーナイトに来てる。ほら見ろ、前に来いって言ったのに来なかっただろ。損したでしょ!」
和泉子霖:「今から行っても間に合う?」