208 みんな同僚なのに、やり過ぎないで

「私に頼んでも無駄よ」武田立则は困ったように言った。「これは社長自らの決定なんだから」

それに、道乃漫をターゲットにしないってどういうこと?

まるで全てが道乃漫のせいみたいじゃないか。

他の同僚をターゲットにするのだって、いけないことだろう。

葉月星は武田立则に頼んでも無駄だと分かり、泣きながら走り出した。

オフィスの人々は彼女の様子を見て、驚いた。

でも葉月星は今、他人の目なんて気にしている場合じゃなかった。

彼女は道乃漫のデスクに駆け寄り、「道乃漫、お願い...部長に頼んで、私を解雇しないでって!」

周りの人々は驚いた。なぜ葉月星が解雇されるの?

彼らも武田立则と同様、葉月星が噂を広めたことが会社に知られても、せいぜい警告書を出される程度で、解雇までには至らないと思っていた。