236 おやすみのキスはくれないの?

夏川清未は見ていなかったので、急いで彼女を寝かせようとした。「早く片付けて寝なさい。一日中疲れたでしょう」

「はい」道乃漫は夏川清未におやすみを言って、急いでメイクを落とし、支度を済ませると、すぐに部屋に戻った。

ベッドに横たわっても、すぐには眠れなかった。携帯を見ると、まだ神崎卓礼からのメッセージは来ていなかった。

約20分ほど経って、携帯が鳴った。

道乃漫は急いで手に取って見ると、神崎卓礼からの着信だった。

「家に着いた?」道乃漫は電話に出て、小声で尋ねた。

寝室は電気が消えていて真っ暗で、窓からの月明かりだけが差し込んでいた。

神崎卓礼の声を聞くと、道乃漫の心は温かくなった。

彼女は自分が本当に恋に落ちていることを知っていた。一挙手一投足が神崎卓礼に左右され、心も彼に引っ張られていた。