夏川清未は緊張して言った。「行かないで、危険すぎるわ!」
「お母さん、あれは事故だよ。もし危険なら、神崎兄が私を行かせるはずがないでしょう?」道乃漫は急いで神崎卓礼に目配せをした。
「お母さん、本当に、危険なら彼女を行かせたりしません」神崎卓礼はすぐに言った。
道乃漫のことに関して、夏川清未は道乃漫自身よりも神崎卓礼を信頼していた。「神崎もそう言うなら、私は信じるわ」
道乃漫は困り果てた。夏川清未が神崎卓礼の言葉をより信用するなんて。
実は夏川清未は、道乃漫がいつも彼女を心配させないように、良いことしか報告しないと思っていた。
本当に危険なことがあっても、彼女には言わないだろう。
それに比べて神崎卓礼は、道乃漫のことを大切にしており、道乃漫自身以上に彼女のことを気にかけている。