255 まるで魂が入れ替わったみたい

「やっと分かったわ。普段は道乃漫が父親に怒鳴られても、自分のやりたいことをやり続けて、父親の言うことなんか全然聞かないのよ。どうせ怒鳴られたところで痛くもかゆくもないもの。道乃漫の目には、もう父親なんて空っぽの存在でしかないのよ！」夏川清翔は軽蔑を込めて言った。「本当に分からないわ。道乃漫がどうしてこんなに手に負えなくなったのかしら！」

あれは昔のあのお人好しな継娘なのだろうか？

言われたことを何でもやって、決して反抗できなかった子が。

でも今は？

道乃漫はまるで運命を覆すかのように、どんどん良くなっていって、過去とは全く違う人生を歩んでいる。

「道乃漫がどうしてこんなに変わったのか分かる？」夏川清翔は不満げに後ろを歩く道乃琪に振り返って尋ねた。

彼女は道乃漫の人生がこうあるべきではないと思っていた。道乃漫の人生は悲惨であるべきだと。

彼女は、道乃漫の今の全てが道乃琪のものであるべきだと思っていた。

道乃漫の人生は、まるで道乃琪と逆転したかのようだった。

夏川清未のこのアパートは古い建物で、六階建てにエレベーターはなく、階段も狭かった。

そのため、夏川清翔と道乃琪は前後に分かれて歩いていた。

階によって明かりがついている所とついていない所があり、明暗が交互に続いていた。

道乃琪はずっとここを貧しい場所だと嫌っていて、スラムのようだと思っていた。

「私が知るわけないでしょ！」道乃琪は上の空で、足元を慎重に見つめながら言った。早めに分かっていれば、今日はハイヒールで来なかったのに。

「何か怪しいのよ」夏川清翔は何かを思い出したように、突然声を潜めた。「まるで...まるで彼女の中の魂が入れ替わったみたいな...」

彼女たちがその階に着いた時、ちょうど明かりがなく、真っ暗な階段には上の階からの灯りがかすかに差し込んでいるだけだった。

二人の影が階段にぼんやりと映り、一段一段の階段の角で歪んでいた。

このような環境は既に少し怖かったのに、夏川清翔が突然声を潜めて話したので、なんだか不気味だった。

道乃琪は鳥肌が立ち、腕をさすりながら不機嫌そうに言った。「お母さん、何を言ってるの！そんな非科学的なことを言っても意味ないでしょ！聞いてるだけでも信じられないわ！もう言わないで！」