瑭子がずっと彼女をかばい、親孝行の代わりもしていた。
「いいよ、これからニュースがあったら、できるだけ彼に渡すようにするよ。彼に聞いてみて、正規の芸能記者に転職する気はないかって。確かに大変だけど、少なくともパパラッチみたいに夜通し張り込む必要はないからね」神崎卓礼は言った。「もし彼が良ければ、南音に行けるよ」
神崎創映には独自のメディア部門はなかったが、神崎卓礼と南條景衡の関係から、南音は常に神崎創映と仲が良かった。
芸能記者は、少なくともパパラッチよりは正規の職業で、自分の仕事について話すときも、もっと堂々とできる。
道乃漫は嬉しそうに、「じゃあ、彼に聞いてみます」
道乃漫はすぐに瑭子に電話をかけた。「瑭子、最近どの芸能人を追ってるの?」
「言わないでくれよ」瑭子の声には疲れが滲んでいた。「前に遠野露露が最近ブレイクした歌手と不倫してるって情報を掴んだんだけど、半月以上追いかけても決定的な証拠が掴めなくてさ。半月以上家に帰ってないから、親が電話してきて、もう息子がいたことすら忘れそうだって」
道乃漫は思わず笑ってしまった。「追えるなら追えばいいけど、無理はしないでね。私のところに現成のネタがあるの。追いかける必要もなくて、時期が来たら人を行かせるだけでいいの」
そして、道乃漫は道乃啓元と夏川清翔が彼女を不法監禁しようとした件について、瑭子に話した。
「今大丈夫なの?」瑭子は即座に心配そうな声を出した。
「私は大丈夫よ、そうじゃなきゃ電話なんてできないでしょ」道乃漫は笑って言った。「彼らは今警察署にいるから、今行っても撮れないわ。でも第一報を出すことはできるわ。どう扱うかは、あなたのプロとしての判断に任せるわ」
「また皮肉っぽく言うね」瑭子は苦笑い。「君の方がよっぽどプロだよ。森田林を簡単にトップに返り咲かせたじゃないか」
「彼らは15日間拘置されるから、その時期に拘置所の前で待ち構えればいいわ」道乃漫は注意を促した。「自分で行く必要はないわ。こういう確実な案件は他の人に任せて、少し休んだら?」
「はいはい、任せてよ」瑭子は気楽に言った。「でも、彼らが拘置される理由は、どう書けばいい?君を巻き込むわけにはいかないだろう」