320 彼女が解決できない危機はない

実際、この時、村上舟翔は芸能人部に行って、まだブレイクしていない、時々芸能人部に来る芸能人たちに優越感を見せびらかしていた。

「あなたたち二人は広報部の人なのね!」遠野弁護士も道乃漫と柳田姉に気づいた。

武田立则は彼らの間に何か不快な出来事があったことを知らず、ただ「まずは座ってください。こちらは遠野弁護士で、村上舟翔のマネージャーです」と言った。

みんなはようやく、村上舟翔が神崎創映に来た理由を知った。

村上舟翔も神崎創映の契約芸能人で、運良くウェブドラマで一躍有名になった。

現在、ウェブドラマは発展が良好だが、地上波のIP作品とはまだ差があり、ウェブドラマでブレイクする新人は実際にそう多くない。村上舟翔はその中の一人だった。

有名になった後、村上舟翔は傲慢になり、スター気取りの噂が絶えなかった。

つい先日も、動画や主催者側のスタッフとの会話のスクリーンショットが公開され、村上舟翔がスター気取りで、アシスタントを怒鳴り、ファンの陰口を叩いていたことが証明された。

村上舟翔の人気は不安定で、このようなニュースが出た時、大きな影響を受けた。

「この仕事は引き受けられません」橘兄はいつもそういう性格で、以前も道乃漫に対する誤解があった時、直接教えることを拒否した。

今回も、はっきりとこの仕事を引き受けられないと言った。

先ほど柳田姉と道乃漫が話していたように、村上舟翔のような言動は、ファンたちに間違った導きをもたらすだけだ。

そして、彼のファンのほとんどが学生で、橘兄自身も娘がいるため、相手の立場に立って考えると、さらに許せなかった。

「私も引き受けられません」高橋勉真はまだ結婚していないが、師匠が断ったのだから、当然従うべきだった。

武田立则は不機嫌な顔をしたので、高橋勉真は先に「私の能力では限界があり、この件をどう解決すべきか本当に分かりません。申し訳ありません!」と言った。

遠野弁護士の顔は暗くなった。

スター気取りの評判が悪いだけなのに、何が解決できないというのか!

柳田姉は首を振って、「申し訳ありませんが、最近手元の案件が特に多くて、時間がないんです」と言った。

「こんな大きな部署なのに、誰も引き受けられないの?それなら神崎創映は広報部を置いておく意味があるのか」遠野弁護士は不機嫌に言った。