柳田姉は道乃漫を睨みつけた。普段なら職場での騒ぎは大目に見るが、外部の人の前で、道乃漫が村上舟翔に死んでほしいとでも言わんばかりの態度を取るのは、本当に気分が悪かった!
「君の名前は何だったかな?」遠野弁護士は忘れたふりをして、道乃漫を指差した。「まずは企画案を何点か提出してもらおうか。本当に実力があるのか見せてもらおう。そうでなければ、他社を探さなければならない。時間の無駄は避けたいからね。」
高橋勉真も腹を立てた。ここには誰も彼に借りがあるわけではないのに、何様のつもりだ、偉そうに指図して!
道乃漫を助けようとしたが、橘兄に止められた。橘兄は首を振り、冷静になるよう促した。
武田立则は眉をひそめ、遠野弁護士の態度が気に入らなかった。最初に応対した時から傲慢だと感じていたが、ますますひどくなっていた。
何か言おうとした時、道乃漫が冷たい声で逆に問いかけた。「私が引き受けると言いましたか?」
「何だって?」遠野弁護士は驚いた。「まだ引き受ける気がないのか?」
「既に申し上げましたが、私は引き受けないのです。時間がないからではなく、村上舟翔のような人の手助けはしないということです。」道乃漫は断固として、遠慮なく言い切った。
「君は自分が何様だと思っているんだ?たとえ引き受けたとしても、企画案の出来を見てからだ。それなのに態度だけ大きく出して、後悔するなよ!」遠野弁護士は怒って道乃漫を指差した。
道乃漫は立ち上がり、「後悔なんてしません。村上舟翔の件は、私は解決しません。他社を当たってください。ここは神崎創映です。たとえ処分を受けることになっても、それは我が社の内部の問題です。外部の人間が口を出す必要はありません。」
「道乃さん——」夏川夢璃がまた道乃漫を挑発しようとしたが、武田立则の一瞥で黙り込んだ。
「道乃漫の言う通りだ。ここは我が社だ。道乃漫への処分の是非は、我が社の内部の問題だ。君たちの案件は、我が部署では誰も引き受け手がいない。申し訳ないが、私にもどうしようもない。」武田立则は冷たく言った。
彼は専門の広報担当者として、クライアントの善し悪しではなく、案件そのものを判断する。
しかし、遠野弁護士のこの態度では、たとえ案件を引き受けたとしても、今後の面倒は避けられないだろう。
武田立则自身も引き受ける気が失せた。