そのとき、遠野弁護士がまた入ってきたのを見て、高橋勉真も村上舟翔のやり方が気に入らず、重々しい声で言った。「何か忘れ物でもしましたか?」
「あなたたちが考えを変えるのを待っているんです」遠野弁護士は得意げな表情を浮かべた。
「考えは変えません」橘兄は冷たい声で言った。遠野弁護士の得意げで人を見下すような態度が気に入らなかった。
「考えを変えないって?」遠野弁護士は冷笑した。「前から言っているでしょう。大きな口を叩かないほうがいい。後で私に考えを変えるかどうか、もう一度言ってみてください!」
武田立则が出てきて、遠野弁護士を見て、「私たちはあなたの案件をお受けしないと決めました。私たちの仕事の邪魔をしないでください。ここは応接室ではありません」
「私を追い出すんですか?私は帰りませんよ。ここで待っていて、後であなたたちの答えが同じかどうか見てみましょう」遠野弁護士は図々しい態度で、その場から動こうとしなかった。
武田立则も怒りを覚え、冷たい声で言った。「ここに居座っていても、私たちは考えを変えません」
以前は残念に思っていたかもしれないが、今の遠野弁護士の態度を見て、村上舟翔の案件を引き受けなかったことを本当に良かったと思った。
そうでなければ、遠野弁護士のこの理不尽な態度では、後々面倒なことになっただろう。
「ふん!」遠野弁護士は冷笑し、何かを頼みにしているような様子だった。
道乃漫は傍らで見ていて、この遠野弁護士が何を頼みにしているのか気になった。
「遠野君!」そのとき、村上社長がようやく到着し、他の人には目もくれず、すぐに遠野弁護士と握手を交わした。「遠野君、来るなら一声かけてくれれば良かったのに。私が直接対応したのに」
遠野弁護士は得意げに橘兄たちを一瞥してから、村上社長に言った。「些細な事だと思って、直接広報部に来ればいいと思ったんです。でも彼らは案件を受けないと言い、態度も非常に悪かった」
遠野弁護士は橘兄から柳田姉、高橋勉真、そして道乃漫まで指差して、「彼も、彼女も、彼も、彼女も!ふん、みんな横柄ですよ!特にこの女性は——」
遠野弁護士は道乃漫を指差して、「村上舟翔の案件は受けないと言い、態度が極めて悪かった」