345 義理なし

柳田社長は冷たく電話を切り、村上舟翔は呆然としていた。

本当に自分は終わってしまったのだろうか?

村上舟翔は髪をかきむしり、テーブルの下の小型冷蔵庫のドアを開け、中から缶のカクテルを取り出し、さらに中の隠し引き出しを開けると、そこには覚せい剤が入っていた。

彼は覚せい剤をカクテルに入れ、一気に大きく飲み干した。

麻薬が神経を刺激し、夢のような幻覚をもたらし、彼の全身がふわふわと浮かんでいるような感覚になった。

しかし、村上舟翔は既に帰ったはずの遠野弁護士が戻ってくるとは思いもよらなかった。

遠野弁護士は途中で村上舟翔のアシスタントに会い、自分の忘れ物を思い出し、アシスタントと一緒に戻ってきたのだ。

アシスタントは村上舟翔の家の鍵を持っていたため、ノックもせずに入れた。