第047章 成績は弱点

長女の声を聞いて、洗濯物を干していた伊藤佳代は急いで橋本奈奈の部屋へ行って長女を見に行きました。「どうしたの、どうしたの?」

「お母さん、奈奈はどこ?」

「奈奈?」伊藤佳代は目を白黒させました。「もう10時よ。奈奈は6時半に起きて、自分の服を洗濯してからどこかへ行ってしまったわ」

橋本奈奈は自分の服だけを洗濯し、家には4人いるのに、他の3人の着替えは当然伊藤佳代が洗わなければなりませんでした。

以前は橋本奈奈が毎日手伝ってくれていたので、伊藤佳代は橋本奈奈が自分のためにどれだけのことをしてくれていたのか気づかなかったし、それらは全て橋本奈奈がすべきことだと思っていました。

橋本奈奈が突然家事をしなくなると、伊藤佳代は一日中忙しくて、一時も休む暇がないことに気づきました。

家事だけでも手が足りないのに、もし今日仕事を探しに行って見つかったら、家の仕事は誰がするのかと、伊藤佳代は本当に疑問に思いました。

「さあ、絵里子も起きて身支度しなさい。今日お母さんは仕事を探しに行くから、家の仕事を手伝ってくれない?」

伊藤佳代はもう仕方がありませんでした。仕事は絶対に探さなければなりません。そうしないと長女にお金を渡せません。

「お母さん」橋本絵里子は急いで起き上がり、不機嫌な顔をしました。「私そういうの出来ないもん。奈奈が帰ってきたら奈奈にやらせればいいじゃない」

昨夜、彼女は橋本奈奈にしつこく付きまとうつもりでした。橋本奈奈がお金をくれない限り、寝かせてあげるつもりはありませんでした。

でも後で、どうして自分が寝てしまったのか、橋本奈奈の方が早く起きていて、本当に腹が立ちました!

橋本絵里子が朝食を食べ終わる頃には、もう11時近くでした。「お母さん、奈奈はきっとすぐ帰ってくるわ。家に帰って来て食事もしないなんてことないでしょう」

「初めてじゃないわ」伊藤佳代はもうこの次女に期待を持つのをやめました。

夏休みの最後の数日間、橋本奈奈は朝食を食べると早々に出かけ、夜になって橋本さんが仕事から帰る頃まで帰って来ませんでした。

あの生意気な娘は橋本さんからもらったお金を持っているから、強気なのです。