「お金を取ったんでしょう?」橋本東祐は伊藤佳代とくだらない話はせず、家のお金は全て伊藤佳代に任せていた。どうせ伊藤佳代は浪費家の妻ではなく、お金を一つ一つ貯金していたのだから。
橋本東祐は家事を管理していないからといって、何も知らないわけではなかった。
鍵を取り出し、橋本東祐は部屋に戻って引き出しを開け、引き出しごと取り出すと、そこに隠れていた通帳が見えた。
「橋本さん、あなた何をするの?」伊藤佳代は後ろめたさを感じ、橋本東祐が通帳の中に一銭もないことを見るのが怖くて、奪おうとした。
橋本東祐は180センチを超える大男で、彼が許さなければ、伊藤佳代が彼の手からものを奪うことなどできるはずがなかった。
橋本東祐は通帳を開いて見ると、目が一瞬で赤くなった:「お金はどこにいった?!」