第067章 成績が出る

「奈奈の普段の成績は絵里子より良いのに、奈奈も付属高校に行けばよかったのに。きっと追いつけるはずだ」

橋本東祐は冷笑した。

「...だめよ、彼女は合格できなければ行かないって言ったわ。家にはそんなにお金がないのよ!」伊藤佳代は顔を青ざめさせ、橋本奈奈が橋本絵里子と同じ待遇を受けることを認めたくなかった。

「言っただろう。絵里子はお前が面倒を見て、奈奈は俺が面倒を見る。とにかく家からお金は要らない。奈奈が本当に成績が悪かったら、俺が何とかする」橋本東祐は意味ありげに伊藤佳代を見つめた。「俺に能力がなくても、誰かが力を貸してくれるはずだ」

「お母さん、お腹すいた。ご飯作らない?」橋本東祐と伊藤佳代がまた喧嘩を始めそうで、しかも話題が橋本絵里子の気に入らない方向に向かっていたので、橋本絵里子は急いで二人を止めた。