第036章 命の恩人

木下おじいさんの娘の話になると、橋本東祐は彼をどう慰めたらいいのか分からなかった。

木下おじさんには三人の息子と一人の娘がいて、一人っ子の娘を可愛がらないはずがない。

だから木下おじさんは政略結婚など考えもせず、ただ娘に好きな人を見つけて、幸せな人生を送ってほしいと願っていた。

木下静香は運が良かった。彼女が知り合って付き合った彼氏は、たまたま白洲家の息子で、二人の仲は良好で、一年余り付き合って結婚した。三ヶ月も経たないうちに、静香は妊娠した。

残念なことに、静香の福運は薄く、出産の時、すべてが順調で、赤ちゃんは自然分娩だったのに。

誰も予想していなかったが、出産後、静香は大量出血を起こした。

静香はレアな血液型ではなかったが、たまたまその血液型の在庫が切れていた。