第073章 "二重の喜び"が訪れる

たとえ彼女にお金があって本屋で選べたとしても、こんなに自分に合った本を見つけられたかどうかわからない。

橋本奈奈が家に帰ったとき、橋本東祐と伊藤佳代はすでにいた。奈奈は鞄を置き、伊藤佳代の興奮した顔を見た。その目は蛍光灯よりも輝いていた。道で拾い物でもしたのだろうか?

「絵里子は本当に優秀よ。名門校は名門校だわ。この付属高校は本当に素晴らしいわ。絵里子を付属高校に入れたのは、私の人生で最も正しい決断だったと思うわ。」

「そうだな。お金は絵里子に渡してもらったか?」橋本東祐も笑みを浮かべ、誇らしげな表情で言った。「絵里子は家にいないけど、今日は少し良い料理を用意して、お祝いしようじゃないか。」

長女がこんなに優秀で、橋本東祐は本当に嬉しかった。

「いいわよ!」伊藤佳代はすぐに同意した。「今日は特別メニューよ。これも全部絵里子のおかげね。」