第111章 同じ性格

橋本東祐が橋本奈奈と話している間、橋本絵里子は伊藤佳代の側にいて、頭を寄せ合って話していた。「お母さん、開校まであと三日なんだけど、私の学費は?」

「……」伊藤佳代の顔は豚レバーのような色になり、絵里子の質問に全く答えられなかった。

「お母さん、こんなに経ってるのに、お父さんまだ折れてないの?」橋本絵里子は眉をひそめ、疑わしげに尋ねた。「最近、お母さんとお父さんが話してるところ全然見てないんだけど、お父さんまだ謝ってないの?じゃあ私の学費はどうするの?!」

年初に、伊藤佳代は橋本東祐に意地を張るため、そして橋本絵里子の前で面子を保つために、普段は倹約していた生活費を大量に使ってしまった。

その結果、橋本絵里子は欲しかったブレスレットを買えただけでなく、新しい服も一着手に入れることができた。