第115章 プレゼント

橋本絵里子が走り去るのを見て、橋本奈奈は「ふふっ」と笑い、目に冷たい光が走った。彼女はこうなることを知っていた。

「新年おめでとう」入学手続きの日、橋本奈奈は学費を納め、クラスの男子に本を運ばせ、配布する人員を手配した。

本来これは学級委員長の仕事だったが、委員長は風邪を引いていたらしく、初日は来ていなかった。学費も人に持ってきてもらっていたため、副委員長の橋本奈奈が代わりに仕事をこなすことになった。

「みなさん、本を受け取ったら、開いて確認してください。問題があれば私のところに報告して、交換してもらいましょう」

このような問題はめったに起きないが、万が一に備えて、橋本奈奈は一応言っておいた。

「ふん、威張っているわね」橋本奈奈が教壇に立って指示を出している様子を見て、井上雨子は酸っぱい口調で言った。