「お姉さんとお母さんがこのまま続けば、お姉さんが完全にお母さんに甘やかされて歪んでしまうんじゃないかと心配だわ。お母さんの図々しさも本当に増す一方ね。まあいいわ、こんな話をしても仕方ないわ。今年は中学校卒業試験だから、しっかり頑張りなさい」
「分かりました」橋本奈奈は頷き、気持ちを切り替えた。その後、長い間、彼女は本当に伊藤佳代と橋本絵里子のことに関わらなかった。
どういうわけか、この問題のある母娘は長い間、橋本奈奈を煩わせることもなく、橋本絵里子も姉妹の「情」を利用して橋本奈奈に助けを求めることもなかった。
「奈奈さん、もう一ヶ月で中学校卒業試験だけど、緊張してる?」普段勉強をしっかりしない白洲隆が、やっと勉強に少し力を入れ始めたが、時間が経つのがこんなにも早いとは思わなかった。あっという間に卒業試験だ。