しかし、もし彼が高校入試の時に、大野宏が何か悪さをするなら、容赦しないつもりだ。
ただのいとこだ。実の弟でもこんないたずらをしたら、同じように殴るつもりだ!
「わかった、気をつけてればいいよ」橋本奈奈は頷いて、それ以上は何も言わなかった。
「自分のことばかり言ってないで、君の家も大変だって聞いたけど。そこまでひどくはないだろうけど、気をつけて。寝坊して遅刻するなよ。遅刻したら試験を受けられなくなるからな」白洲隆は心配そうに言った。
「そんなこと言われなくても」橋本奈奈は笑ったが、目は冷たく光った。
大野宏と白洲隆はいとこ同士だから、白洲隆を狙ったんだろう。でも彼女の家も変わった家庭だった。
「奈奈、今日はゆっくり休みなさい。普段から十分勉強してるんだから、今夜一晩くらい大丈夫。今日はしっかり寝るだけでいいから」今回の橋本奈奈の高校入試に、橋本東祐は特に緊張していて、橋本奈奈が帰宅すると、自ら橋本奈奈にお茶を入れてくれた。