第090章 コネを作る

橋本絵里子は自分の面子を失いたくなく、授業料を滞納したくなかったが、橋本奈奈のことになると、当然のように思っていた。

「奈奈は今、あの生意気な態度で、頑固で、以前のように言うことを聞かなくなったわ。私が頼んでも、奈奈が私の言うことを聞くと思う?」伊藤佳代も馬鹿じゃない。以前から奈奈という娘が大嫌いで、もちろん、今でも嫌いだった。

でも比べてみれば、奈奈は間違いなく従順な娘だった。

東へ行けと言えば、西へは行かず、歩けと言えば、走ったりしなかった。

でも今は、一言言えば、奈奈は十言返してくる。奈奈が黙っていても、彼女の言うことなど全く聞いていない。

「ママ、前は奈奈こんなじゃなかったのに、あの時の熱を出してから、なんだか変になっちゃったわね?」橋本絵里子は眉をひそめ、不思議そうにつぶやいた。