第092章 どういう意味だ

「付属高校?」白洲隆は顔を上げて、橋本絵里子を見た。

「そうよ、私は付属高校の生徒なの」橋本絵里子は誇らしげに言った。付属高校は平泉で一番いい高校だったから、これで白洲隆も彼女の実力を認めて、教えさせてくれるはずだ。

橋本奈奈がどんなに成績が良くても、将来付属高校の生徒になれるかどうかわからない。それに対して、自分はもう付属高校の生徒なのだ。橋本奈奈なんて自分には及ばない。

橋本絵里子の得意げな表情を見て、橋本奈奈は口角を引きつらせ、参ったという表情を浮かべた。

「今年、誰かが僕の祖父に頼んできたって聞いたよ。付属高校に入りたいって。祖父にそんなことを頼める人は少ないはずだけど、もしかしてそれって君?」白洲隆は笑いながら、毒のある言葉を吐いた。

「……」白洲隆の言葉を聞いて、さっきまで雄鶏のように得意げだった橋本絵里子の顔が一気に真っ赤になった。