第122章 同じ学校は嫌だ

この可能性を考えると、なぜか斎藤昇は少し憂鬱な気持ちになった。

「まあまあ良かったと思います。あと数日で結果が出るでしょう」今回は斎藤昇のアイコンタクトがなくても、橋本奈奈は非常に自然に、そして正直に、習慣的に斎藤昇の隣の席に座った。

「自信満々だね。これらの本はどこから?」斎藤昇はテーブルの上の外国語の本を見ながら尋ねた。

「隣の席の人からもらいました」斎藤昇が手に持っているのも白洲隆が自分にくれた英語の本だと気づいて、橋本奈奈は答えた。「どうせ夏休みは退屈だし、読んでみるのもいいと思います。結局、高校に入ったら英語は必修科目ですから」

「英語が好きなの?」

「まあまあです」前世では、英語で結構な副収入を得ていた。おそらくその習慣からか、彼女は英語に対して確かに好感と執着を持っていた。

「じゃあ、これらの本も読んでみたら」斎藤昇は橋本奈奈の外国語の本をめくってみると、多くの箇所に詳細なノートが取られており、橋本奈奈が本当に真剣に学んでいることがわかった。

中学生として、橋本奈奈の英語の知識は既に教科書の範囲を超えており、このことから橋本奈奈には外国語学習の才能があることがわかる。

そのため、斎藤昇は自分の書斎から橋本奈奈のレベルに適した本をたくさん見つけ出し、今日一緒に持ってきた。

「これらの本、私にくれるんですか?」橋本奈奈は目を輝かせ、少し興奮気味に本を手に取り、内容を確認すると、これらの本が確かに自分に適していることがわかった。

白洲隆がくれた本は既にほとんど読み終えていたので、この長い夏休みをどう過ごそうかと悩んでいたところだった。

「斎藤お兄さん、ありがとうございます!」

「しっかり読んでね」夜空の星のように輝く橋本奈奈の目を見て、斎藤昇は少し落ち着かない様子で顔をそらし、橋本奈奈を見ないようにした。

斎藤昇がそう言うと、橋本奈奈は非常に自然に本を読み始めた。

橋本奈奈は本を読み始めると非常に集中し、すぐに斎藤昇が自分の傍にいることも忘れてしまうので、斎藤昇が時々彼女を見つめる視線に気づかなかった。

橋本奈奈が橋本家に帰るまで、斎藤昇は口の端にあった質問をついに聞けずじまいだった。

「もしかしたら、もう失くしてしまったのかもしれない」