第167章 気難しいお爺さん

橋本絵里子の言葉を聞いて、橋本奈奈は「ふふふ」と冷笑いをして、自分の部屋に戻った。

昨夜の橋本奈奈の態度に橋本絵里子が怯えたのか、橋本絵里子は橋本奈奈に誰もいない時に殴られると思ったのだろう。そのため、朝早くから橋本東祐のお見舞いに病院へ行き、逆に橋本奈奈を落ち着かせることになった。

橋本奈奈は昨日斎藤昇が自分に言った言葉を忘れていなかった。爽やかな色の服を選び、アイロンをかけて着て、斎藤家へ斎藤昇を訪ねようと思った。

ところが、橋本奈奈がドアを開けると、斎藤昇の車がすでに橋本家の近くに停まっていた。

橋本奈奈は何故か少し気後れして、周りを見回して誰もいないことを確認してから、その車に向かって歩き、最速でその車に乗り込んだ。「斎藤お兄さん」

「シートベルトを締めて」