第173章 お姉様と天然ボケ

「なるほど、そういうことか」橋本奈奈の攻撃的な態度に対して、清らかな顔に純粋な笑みを浮かべながら、依然として鋭い口調で言った。「では、私には実力があると言えるでしょうか?」

「あなたは...」岡本茜は橋本奈奈の実力を否定しようとしたが、自分という外国語学部の優等生が書いたものを、高校生の橋本奈奈に多くの誤りを指摘されたことを思い出し、その心にもない言葉を口にすることができなかった。

彼女は橋本奈奈に泥を塗ることには全く躊躇いがなかったが、そんな愚かな言葉を言えば自分の顔に泥を塗るようなものだった。

「その反応を見ると、とても嬉しいわ。あなたは私の実力を認めたということですね」

「...」誰があなたを認めるものか!

岡本茜が黙っていると、橋本奈奈はさらに続けた。「私は今、林おじいさんの弟子になりました。では、もう一つ質問させていただきますが、私は今、身分のある人間と言えるでしょうか?」

岡本茜は顔を青ざめさせ、太陽のように輝く橋本奈奈の笑顔に思い切り平手打ちをかましたい衝動に駆られた:厚かましい!

本来なら自分こそが林先生の弟子になるはずだった。この女は若くしてこんなに手練手管が巧みで、計算高く、林先生を使って自分を押さえつけようとしている。

橋本奈奈が林康弘の内弟子になったことで、確かに身分のある人間となった。しかも、その地位は彼女自身が想像もしていなかったほどのものだった。

岡本茜は林康弘の内弟子という身分を利用して、自分の価値を高めようとしていたのに、まさか橋本奈奈というお邪魔虫に出くわすとは思わなかった。

岡本茜は元々、自分の計画を台無しにし、本来自分のものだったはずのチャンスを奪った橋本奈奈を憎んでいた。橋本奈奈が林康弘の弟子という身分を使って、自分の「身分と実力は同時に備えていなければならない」という言葉に反論するのを聞いて、ついに腹に溜まっていた怒りを抑えきれず、橋本奈奈の顔を力いっぱい平手打ちしようと手を上げた。

「...」橋本奈奈は目を見開いた。母親が理不尽で、人に手を出すのが好きだったが、まさかこんな高学歴で身分の高そうな人間もそういうことが好きだとは思わなかった。