「所詮、軍人なんて臭い奴じゃないの?」橋本絵里子は鼻で笑った。「私は軍人なんかと結婚したくないわ。一年中部隊にいて、私と過ごす時間なんてないじゃない。はっきり言えば、私も母さんみたいに、子供を産んでから一人で育てなきゃいけないの?手塚家は明らかに田舎者よ。私は都会育ちなのに、田舎に嫁いで農婦になるなんて。母さん、一体何を考えているの?軍曹がどうしたの?少佐だって私には興味ないわ。母さんが言ってたでしょう、橋本奈奈を産まなければ、父さんは間違いなく少佐になれたって。でも見てよ、今の父さんは入院するのにも娘からお金を借りなきゃいけないなんて、何の出世もない。自分の面倒も見られないのに、子供なんか育てられるわけないじゃない!」
彼女は今後、結婚するなら、相手は社会的地位があるだけでなく、最も重要なのは、相手の家がとても裕福でなければならないと考えていた。