白洲おじいさんは、白洲隆が兵士になったら、砲弾の餌食になるのではないかと心配していた。
しかし、今日の白洲隆の振る舞いを見ると、適切な指導さえあれば、砲弾の餌食になるどころか、優秀な政治家になれると白洲おじいさんは確信していた!
「おじいさんの褒め言葉ありがとうございます。おじいさんと外祖父が僕のためにそれほど心を砕いてくれたのに、もし僕が進歩しなければ、お二人に申し訳が立ちません」白洲おじいさんの隣に少し落ち着かない様子で座り、橋本奈奈から教わった言葉を思い出しながら、白洲隆は気まずそうに手を伸ばし、仲良く白洲おじいさんの肩を抱いた。「おじいさん、安心してください。僕はもう分別がつくようになりました」
「……」孫の親密な態度に慣れていない白洲おじいさん。普段はいつも外孫がこうするのだが、今は外孫以上に嬉しく感じていた。
白洲おじいさんは体を少し震わせ、白洲隆が注いでくれたお茶を一口飲んで、優しい口調で言った。「よかった、お前が成長してくれて、これ以上の喜びはない。お前の言う通りだ。今は白洲家にはお前の父がいて、将来は白洲家にはお前がいる。私も安心できる」
大野宏が入ってきた時、祖父と孫が仲良く座って談笑している場面に出くわし、大野宏の表情が凍りつき、笑顔を作るのがやっとだった。
これまで白洲おじいさんの隣の席は大野宏だけのものだったのに、今は白洲隆がいて、大野宏は自分の居場所がなくなったように感じた。
「宏が来たか」外孫を見て白洲おじいさんは笑顔を見せたが、大野宏には明らかに、おじいさんが自分を見る時の喜びが以前ほどではないと感じられた。
大野宏は心の中で怒りを覚えた。孫ができたら、この外孫はもう要らないということか?
やはり、父の言う通りだ。白洲家の人間は、みんな狼の心を持った犬のような奴らで、親族の情など知らない連中だ!
「おじいさん、隆お兄さん」大野宏は心の中では怒っていても、顔には笑みを浮かべることができた。清潔感のある顔に、陽気な笑顔を浮かべていた。白洲隆は大野宏をじっくりと観察し、橋本奈奈の言った通りだと認めざるを得なかった。大野宏は演技が上手く、その演技をする大野宏は非常に好感が持てた。
「宏、こっちに座りなさい」