第186章 正直に白状する

「!」橋本絵里子は目を見開いた。彼女は橋本奈奈のお金がアルバイトで稼いだものだとは思っていなかった。最も重要なのは、このお金が不正なものではなく、橋本東祐がずっと知っていたということだった。

橋本東祐は目を閉じ、深く息を吸い、そして暗い目で橋本絵里子を見つめた。「だから今日突然、私の面倒を見たいと思って、外に連れ出してリハビリをしようとしたのか?」

「違います、お父さん...」

橋本絵里子が言い終わる前に、橋本東祐は冷たく言った。「奈奈、警察に通報しなさい。」

「お父さん、奈奈は狂ってるの?お父さんまで狂ったの?警察なんて簡単に呼べるものじゃないわ。それに、たいした金額じゃないでしょう。」絶対に橋本奈奈を警察に通報させてはいけない。

「私から盗まれた金額は少なくない。既に立件基準に達しているはずだ。お父さん、今すぐ警察に通報します。」