第196話 相談したい

「はい」橋本東祐の緊張した気持ちは一気に和らいだ。「奈奈、安心して。今日から、パパは本当の良いパパになるよ」

今日、橋本東祐に平手打ちされた伊藤佳代は、ようやく本当に大人しくなった。彼女は橋本絵里子と二人で、おとなしく橋本奈奈の部屋を片付けた後、すぐに食事の支度をした。「橋本さん、ご飯できましたよ。食べますか?」

伊藤佳代を見ただけで、橋本東祐の表情は急に冷たくなった。顔を奈奈の方に向け、声を落として、少し愛情を込めて言った。「奈奈、晩ご飯食べに来なさい」

橋本東祐のこの表情に、その場にいた他の二人の女性の顔色が一斉に変わった。

伊藤佳代は腹が立って仕方がなく、橋本絵里子の表情はより陰鬱になった。

どうして彼女には、この六千円を使えなかっただけでなく、かえってパパが奈奈により偏ってしまったように感じるのだろう?一体どこで間違えたのか、パパの奈奈に対する態度がこんなに大きく変わってしまったのか?