小学生がどんなに腕白でも、親の言うことを聞かなくても、「先生が言った」と持ち出せば、必ず素直に従うタイプ。
橋本奈奈が手塚教官を見る時のあの清らかで透明な眼差しを見て、唐澤夢子は突然、自分が恥ずかしくなるような感覚に襲われた。橋本奈奈が純粋すぎるのか、それとも自分たちが下劣すぎるのか?
入学初日、橋本奈奈が白洲隆と異常に親しげな様子を見せていたため、多くの人が橋本奈奈を自分を大切にしない女子だと思っていた。
しかし、たった一日の間に、多くの女子学生が手塚勇を見て春の気分に浮かれているのに対し、むしろ最も「早熟」なはずの橋本奈奈は本心を保ち、手塚勇を見る目は実に率直で素直だった。
この違いは、橋本奈奈と同じ寮の仲間たちにとって、とても大きな差だった。
「今日一日本当に疲れ切っちゃった。最初は軍事訓練が楽しそうだと思ってたのに、こんなに大変だなんて。中学の入試勉強よりもきつい。この軍事訓練っていつまで続くの?」一日が終わって、戸村琴は自分の体が完全に腐ったような感じで、汗臭さでいっぱいだった。